年度末のせいか、一見意味の無さそうな土木工事が目立つ。飯塚からサイクリングロードも然りである。土手に咲いている菜の花をデジカメで撮ろうとしてカメラを取り出し再び走り出そうとした瞬間、ゴツゴツとした走行感・・・「ああ・・・」俯いてみると、やはりパンクしている。タイヤを見てみると砕石が突き刺さっていた。これもアスファルト上に撒き散らかされた砕石か?
夕暮れが近いので、急いでタイヤ交換に取り掛かる。ただでさえ面倒なチューブラータイヤの交換をしていると、遥か遠方から老人が進路を変えよってきた。「う、鬱陶しい」正直、急いでいるときの素人の相手は嫌いだ。ガチガチに張り付いたパンクタイヤをようやく剥がし、リムにとタイヤにセメントを塗り終え、いよいよタイヤをリムに張り合わせていく。新品タイヤなので力が必要だ。慢心の力を込めタイヤをはめ込んでいると。来たよ来たよ来ましたよー。近くまで寄ってきた老人は案の定
「兄ちゃんは競輪選手かね?」とお決まりの質問を浴びせてきた。
これが歯を食いしばりながら、すごい形相で、今まさにタイヤをはめようとしている男に浴びせる質問だろうか?それでも無視するのもなんなので
「い、い・え」と答えといた。暫くして、タイヤと格闘する俺の発する「
あっちいけオーラ」を感じ取ったのか、老人は再び遥か彼方の元の軌道へと復帰していった。
「ふう、これで集中できるな。」と思い再度リムへの装着を挑み「あー、もう少しだ!」というときに今度はママチャリに乗った20歳前後の青年が
「らいじょうぶれすかぁ~?」と気が抜けた声を掛けてきた。誰なんだ??いやそんなの誰でもいい。とにかく今は邪魔しないでくれ。「大丈夫です。ただのパンクですから~」と妙にハイトーンな声で答える俺。自分でも笑えた。wママチャリ青年も「
あっちいけオーラ」を感じたのか
「あっ、そうれすかぁ~」とすぐに走り去ってくれた。
そうしている間にも日は傾き暮れようとしていたが、なんとかタイヤも装着完了し、日暮れまでには無事帰宅できた。とても親切な筑豊の人々。ありがとうございました。